
更新の際に構造を変える事があります。 構造を変えるとアドレスが一から再配分されますので
ブックマーク等でお気に入りのページに飛んだ際に、目的と違うページが表示されることがあります。
その場合は画面一番下の [ TOP ] からトップページへ移動して、トップページから
目的のページへ移動してください。 お手数ですがよろしくお願いいたします。
クルマ雑学
|
【問】後輪駆動のスポーツカーにとって、理想的な前後軸重量配分はどんなもんでしょう。 50:50が
理想的だと言う人もいますが、ミッドシップなんかの後よりの配分の方が良いんじゃないかなあ。 加
速は後輪・減速は全輪だし、回頭性も。 もちろんFDなんかはフロントエンジンにしては良くやったと
思う。 でも、純粋に性能を求める(定員などは後回し)なら、エンジンを後に置いた時の重量バラン
スのほうが良いような・・・・。
☆折角なので原文ママ
□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□
【答】 重量が同じなら、全ての駆動方式に於いて直進の制動性能はケツが重い方が優れます。
たとえば、RRのポルシェ911のブレーキが優れると評価されるのも、単にブレーキシステムが優れ
ているばかりでなく、911の前後軸重量バランスがフル制動時に50:50になる程度にリア寄りだから
です。
また、後輪駆動に於いては、直進の加速性能はケツが重い方が優れます。
これは、タイヤの摩擦力が荷重に依存(正比例でなく、かつ飽和しますが)しているからに他なりませ
ん。
ところが、こと旋回性能に関して考察すると、話が少々ややこしくなります。
言葉だけで表現するのは、ちょっと難しいのですが、以下長文お付き合い下さい。
旋回に於ける理想の前後軸重量配分は、
(1) まず、ヨー運動と駆動力を無視した場合に、「いろいろな事態を想定して、曲がっている状態に於
いて50:50が理想」となります。
これは静止状態で50:50であっても、旋回制動や旋回加速、路面の勾配などによって走行中の前後
軸荷重配分が変化するからです。
たとえば下り勾配を旋回している状態に於いて50:50であるということは、静止状態に於いて45:
55などの前後軸重量配分であった時にしか成立しません。
同様に、上り勾配を旋回している状態に於いて50:50であるということは、静止状態に於いて55:4
5などの前後軸重量配分であった時にしか成立しません。
つまり、静止状態の重量配分とは違う「走行中の変化する前後軸荷重配分がその瞬間に於いて50:
50であること」が理想となります。
(2) さらにその上で、ヨー運動を考慮し、駆動力・制動力を無視した場合、旋回半径によって理想とさ
れる前後軸重量配分が決まります。
これは、ヨーモーメントが、前後タイヤの遠心力と求心力の差から生まれるからです。
ある旋回半径を、そのタイヤのグリップ力の限界で定常旋回していた時に、ヨー角速度から必要とさ
れる前後タイヤそれぞれの求心力が決定します(※注)。
前後タイヤそれぞれの求心力(横方向に消費される摩擦力=ここでは駆動・制動を無視しているた
め、摩擦円半径そのものと同義)は、それぞれに掛かる荷重に依存していますので、前後軸荷重配分
に因って前後求心力のバランスが決定します。
つまり、必要とするヨー角速度によって理想的な前後軸重量配分は異なるのです(ただし、停止状態
の重量配分によって旋回中前後軸に分配される遠心力が決まりますので、話はそうカンタンではない
のですが)。
(3) さらにその上で、駆動力・制動力を考慮した場合、駆動・制動という縦方向への摩擦力の消費に
よって摩擦円からコーナーリングフォースが失われ、ヨーモーメントに必要な前後タイヤが生み出す求
心力の差が大きくなります。
この差が適切となる前後軸重量配分が理想となりますが、駆動・加速によって荷重移動するため「荷
重移動によって変化した前後軸荷重配分が理想数値」でなければなりません。
これだけでも十分ややこしいのに、以上の説明は、サスペンションの構造やアライメント変化、前後タ
イヤのサイズ、空力に因る荷重の増減などの諸要素を無視しています。
ですから、一概に「○○:□□が理想」と決定付けることはできません。
あくまで概念として「マスが中心寄り、低重心で前後軸重量配分はややリア寄りが好ましい」程度の話
になってしまうのです。
バシッと決め付けられないのはスッキリしませんが。
※注:もちろん、前後タイヤが生み出す求心力は、舵角によって調整可能ですが、タイヤが最も効率良
く求心力を生み出す横滑り角は決まっていますので、前後タイヤの横滑り角が同一となる「舵角無し状
態(ゼロカウンター)」が最も速いのです。
なお、この時点での解説は、駆動・制動力を無視していますので、ゼロカウンター状態を単純に、「求
心力が遠心力とバランスする」というレベルに留めています。
実際のゼロカウンター状態に於いては、後輪駆動車の駆動力によってリアタイヤの求心力が低減さ
れてヨーモーメントが発生します。
また、前後に同じタイヤを履き、前後軸重量配分が50:50である四輪駆動車の駆動力配分が50:5
0であった場合、ゼロカウンター状態とは、ヨー角慣性力によってヨーイングしている状態であり、それ
定常円旋回を維持することが出来ません。
|
|
|

|