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ドライヴィング理論

 (03) 4駆ってアンダーステアなの?
【問】 4駆ってアンダーステアなのですか?

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【答】 4駆がアンダーステアなのではありません。
 アンダーステア特性になる重量バランスで、オーバーステアになるような細工をしていないからアンダ ーステア特性なのです。

 前項を読んで頂ければ、アンダーステア/ニュートラルステア/オーバーステアの本来の意味、およ びモータースポーツにおける解釈が御理解頂けると思います。

 重量配分からアンダーステア特性になるクルマであっても、前後輪のタイヤサイズを変えるとか、リア タイヤの求心力が出ないようなサスペンションの設計にするとか(スタビライザーを含む)、アライメント を調整するなどすれば、オーバーステア特性にもアンダーステア特性にも変更できます。
 前輪を駆動するからアンダーステア。
 後輪を駆動するからオーバーステア。
というのは間違った認識なのです。

 ここまで読んでちゃんと理解できた人なら、必ず疑問が浮かぶ筈です。
 「FFは前輪を駆動する。
 FR(MR/RR)は後輪を駆動する。
 駆動力は摩擦円の縦方向のグリップ力を消費するので、横方向のグリップ力がベクトル計算で減る。
 したがって、前輪を駆動すれば、旋回中に前輪の求心力が低下。
 後輪を駆動すれば、旋回中に後輪の求心力が低下する。
 ヨー運動は前後輪のヨーモーメントの差。
 [ヨーモーメント]=[求心力]−[遠心力]
 ならば、前輪を駆動すれば、ヨー運動が過小となるのでアンダーステア。
 後輪を駆動すれば、ヨー運動が過大となるのでオーバーステア。
 ・・・なのでは?」と。
 そうです。
 その理屈で何も間違ってはいません。
 ただし、それは駆動力を与えるという操作に因って、アンダーステア やオーバーステアが生じたのです。
 クルマの特性がオーバーステアやアンダーステアだという意味ではありません。

 前輪駆動車でも、旋回中に軽い制動を掛ける(エンジンブレーキを含む)と、フロントへ荷重移動する 事に因って、前後タイヤの摩擦円の大きさが変化します。
 その摩擦円の大きさの変化に因って求心力に差が生じて、ヨー運動が過大になります。
 これは紛れも無いオーバーステア(ただし、モータースポーツ用語としての解釈)です。

 後輪駆動車でも、横Gの弱い旋回中に中途半端な駆動力を与えると、リアへ過重移動する事に因っ て、前後タイヤの摩擦円の大きさが変化します。
 その摩擦円の大きさの変化に因って求心力に差が生じて、ヨー運動が過小になります。
 これは紛れも無いアンダーステア(ただし、モータースポーツ用語としての解釈)です。

 つまり、たとえ基本特性がアンダーステアであろうとオーバーステアであろうと、ドライバーの操作次第 でオーバーステアにもアンダーステアにもなるのです。
 適切でない操作に因って生じたアンダーステアやオーバーステアの現象は、そのクルマが本来持って いる特性を定義付けるものではありません。

 では、何故、「4駆はアンダーステアだ」という概念が蔓延るのでしょうか?
 それは、上述のような、駆動力を与えた際のヨー運動の変化をステア特性と取り違えているからで す。
 しかも、取り違え方が「過大な駆動力を与えてリアタイヤが横滑りする のが、オーバーステア。  それ以外はアンダーステア」という無 茶苦茶な勘違いです。
 せめて、「過大な駆動力を与えてリアタイヤが横滑りするのが、オーバーステア。  過大な駆動力を 与えてフロントタイヤが横滑りするのがアンダーステア。  リアタイヤもフロントタイヤも横滑りしないで 旋回半径が大きくなるのがニュートラルステア」だと思っているのであれば、当らずとも遠から なのですが・・・
(なお、その解釈に従った場合、「4駆はニュートラルステア」ということになります)


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