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ブレーキ

Q : 左足ブレーキは危ない                              令和5年02月13日 再追加
令和5年01月07日 追加

A : クルマのペダルレイアウトは最初の一台から今に至るまでず〜と同じだったワケではありません。

 たとえば、トヨタが自社の博物館に所蔵していて、年に一回、一度だけ希望者の中から抽選で一名を 選んでデモンストレーション走行をさせて貰える旧車『フォードT型』は床にアクセルが無く、ステアリン グ・コラムから右側に生えたレバーがアクセルでした。

 フォードT型の床から生えている三本のペダルは、右から順にブレーキ,リバース(バック),クラッチ でした。

 今とは全然違いますね。 黎明期は何処のメーカーもどうすれば安全に走ることが出来るのか?を 真剣に悩み切磋琢磨し続けて来ました。 そういう歴史の上に、今の右から順にアクセル,ブレーキ, クラッチがあります。 これが最適解という保証は何処にもありませんが、まぁ、共通認識としてコレで 落ち着いたワケです。

 では、クルマ板に良く書き込まれる左足ブレーキ否定派の主張を各個論破してまいりましょう。


 否定派主張 「 左足で踏む方が右足で踏むよりも踏み替えの時間が短いと主張されるが
          それが事故を回避するような状況なんかそうそうないぞ 」

 圭坊の反論 「 だというなら、いままで貴方が幸運だったに過ぎません。
          時速60kmで走る車両は 60000 ÷ 3600 で秒速16.667メートルです。
          危険を認識してからブレーキペダルを踏むまでの時間は若い健康な人で半秒位。
          半秒でクルマは8.333メートル進みます。
          これが左足ブレーキで半減できれば (実際はもっと短くなります)4.167まで縮む。
          直前で止まるか、それとも小型車両一台分の全長をオーバーランして轢くか。
          これだけの差が生じます。
          ついでに、制動距離が右足でブレーキを踏んだ所為で左足ブレーキなら止まって
          いたクルマの速度も計算しておきましょう。
          減速Gが1だったと仮定すると4.167メートルの高さからクルマを自由落下させるの
          と同じですから計算は楽です。
          その地点から制止に至るまでの制動時間=0.922秒
          その地点の通過速度=秒速9.040メートル=時速32,545km
          生活道路をほぼほぼ制限速度を遵守しているクルマに轢かれるような感じ。
          対人なら普通に大怪我ですし、対乗用車なら廃車かも知れませんね 」


 否定派主張 「 クルマはブレーキを左足で踏むようには設計されていない 」

 圭坊の反論 「 おや? BMWのユーザーさんかな?

          BMWのような一部の勘違った自動車メーカーは、MTの設定があるスポーツグレ
          ードのAT仕様を造る際にブレーキペダルをMTと同じものにして
          『 ウチのATはそこいらの腑抜けたATとは一味違う 』
          ってユーザーを洗脳しようとしていますが、ATはAT。
          AT同士に貴賎の差はありません。

          ブレーキペダルでユーザーを洗脳しようとしないマトモなメーカーが造るATの
          ブレーキペダルはMTのブレーキペダルよりも横幅が長く造られています。
          これは 『ブレーキペダルを踏み外さないため』であり、同時に『左足でもブレーキ
          ブレーキを踏み易くするため』でもあります 」


 否定派主張 「 左足でフットレスとを踏み絞ることで体が安定して右足で強いブレーキが踏める。
          左足でブレーキが踏めるのはバケットシートにフルハーネスで体を固定してるから。
          普通の座席に三点式シートベルトで左足ブレーキは体が安定しないので危険 」

 圭坊の反論 「 じゃあ、MTユーザーは強くエンジンブレーキを効かせるためにH&Tなんかしちゃ
          ったら、体が不安定になって事故っちゃうねw

          んなわけねーじゃんw

          他のページで解説しているから此処では端折るけど、HANSが使えない公道で
          フルハーネスシートベルトは頚椎損傷のリスクがあるから私は使わない。
          横Gに関しては確かにフルバケットじゃないと尻が動いて不安定だが、減速Gに
          関しては三点式シートベルトで十分。

          嘘だと思うなら、左足でフットレスとを踏み絞めての右足でもフル制動と左足を適
          当な位置に置いての右足でのフル制動で制動距離を比べてみればいい。
          貴方の着座姿勢が余程酷くない限りは、そんなことで制動距離は変わりません 」


 否定派主張 「 左足ブレーキは習得が困難。 特に一旦3ペダルのMT車に乗ったことがある人は
          クラッチペダルを一気に奥まで踏み抜く癖が付いているので急ブレーキに成り易く
          公道では追突事故を誘発しかねない 」

 圭坊の反論 「 残念ながら、これに関しては概ね同意せざるを得ない。

          しかし、人間はそんなに不器用ではない。

          遊園地でゴーカートに乗ったことがある人なら誰でも知っていることだが、特殊な
          ゴーカートを除いて普通のゴーカートはほぼ全てが右足がアクセル専用で、左足が
          ブレ−キ専用になっている。
          遊園地で子供と一緒に乗ったパパやママが
          『左足でブレーキを踏んだことがないから運転できない』
          なんて言う場面に出会したことなんかない。
          どのお父さんもどのお母さんも器用に左足ブレーキを駆使してコースを回っている。
          同じことが公道で自分のクルマだと出来ないってコトはない。
          やれば誰だって公道で普通に出来る。 出来ないのではない。 やらないだけだ 」


 否定派主張 「 一旦左足ブレーキを身に付けたら、今度はMT車が乗れなくなる 」

 圭坊の反論 「 そんなあぼがどばなな。

          もともと私が左足ブレーキをマスターしようと考えたのは、モータースポーツのダー
          トトライアルに誘われて、ダートトライアルに参加するならアンダーステア封じのテ
          クニックでもある左足ブレーキの習得が最低ラインだと言われたから。
          結局、ダートトライアルには参加しなかったのだけれども、もともとがMT車を運転
          する技術のひとつとして身に付けたので、左足ブレーキをマスター出来た後でも
          MT車の運転に支障は無い。

          左足ブレーキを拾得して得られたモノは少なくなかった。

          まず、踏み替え時間が短縮されたおかげでポンコツなブレーキ性能でも安心して
          運転することができるようになった。
          長距離運転の際に足の負担を左右に分配することで疲れ難くなった。

          もちろん、最初の目論見通りに運転の選択肢に幅ができた。

          残念ながら左足チョンブレーキでのアンダーステア封じは、ブレーキ・オーバーライ
          ド・システムが普及することによって意味がなくなってしまいましたが、それでも少し
          の制動から素早く加速する時などは左足ブレーキが活躍します 」


 否定派主張 「 そんなもの危険を予測したら右足をアクセルペダルから離してブレーキペダルに
          移して身構えれば良いだけの話だ 」

 圭坊の反論 「 話を根本から理解しておられなくて嗤う。
          危険が予測されるシチューエーションとは、自動車やオートバイに混じって自転車
          が走っている全ての道路であり、歩道が無い道路であり、脇道から歩行者や自転
          車、一時停止不履行の車両などが飛び出しかねない全ての道路だ。
          だから、自動車専用道路以外の道路を走る際には、常に左足をブレーキペダル
          の上に浮かせて身構えろ、と言っている。
          たとえば、北摂に住む自分が大阪市内に在る事務所にAT車で向かう際は、自宅
          から新御堂筋に合流するまでの区間は、常に左足をブレーキペダルの上に浮か
          せて身構えて運転している。 新御堂筋を走っている間は、左足はフットレストに
          置かれるが、大阪市内に入ってから御堂筋の側道に車線変更して以降事務所に
          着くまでの区間は、左足をブレーキペダルの上に浮かせて身構えて運転している。

          危機的状況は常に唐突に、予測不可能に起こります。 “危険を予測したら”では
          間に合いません。
          まぁ、『 ワイは予知能力者なんや!』 と仰られるなら、それで万全なのでしょうけ
          れど。 常人なら“危険を予測したら”では間に合いませんよ 」


 否定派主張 「 左足をフットレストからブレーキペダルまで移動させるのは、高齢者にとって大仕
          事である。 アクセルペダルとブレーキペダルは右足だけで操作するのが合理的
          だ 」

 圭坊の反論 「 そんなことが大仕事ならクラッチペダルのあるMT車を高齢者が運転したら左足が
          疲労骨折してしまうわ。
          高齢者が左足でブレーキを踏むその最大のメリットは、疲労の分散にある。
          アクセルペダルを操作している時の右足は、アクセルペダルの踏み込み量を調節
          するという“仕事”を行っている。 右足だけでAT車を運転するとブレーキペダルの
          操作も右足の仕事なので、右足ばかりが疲労してしまう。
          還暦越え程度の鼻垂れ小僧の内は、AT車を右足だけで運転したからって、何か
          不都合があるワケではないが、これが七十歳八十歳九十歳と齢を重ねて行き、
          足腰が弱ってくると色々と問題が生じるようになる。
          あまり知られていない事実だが、高齢者の踏み間違い事故の根底には右足の疲
          労が関係している。 あの有名な勲章持ち特権階級だった飯塚幸三被告が杖を
          突かなければ立位を維持できないほどに足腰が弱っている姿を見て驚かれた人
          は少なくないだろう。 しかし、朝に幼稚園バスに乗る孫を見送るために私が勤め
          ていた施設の隣のマンションまで軽自動車で来ていた婆さんも杖を突かなければ
          立位が維持できない人だった。 足腰が弱り切っているからこそ、公共の交通機
          関で移動することが出来なくてクルマを運転している高齢者は非常に多い。
          実は厄介なことに踏み間違いを予防するためにアクセルペダルとブレーキペダル
          はデフォルトの高さを大きく変えて造られており、この所為でアクセルペダルとブレ
          ーキペダルの踏み換えは、高齢者にとって酷く疲れる行為となっている。
          もちろん、左足をフットレストからブレーキペダルへ移動させる際にも高さが大きく
          違うので疲れる。 しかし、右足でブレーキを踏むドライバーの大多数は左足でブ
          レーキが踏めないが、左足でブレーキを踏むドライバーの大多数は右足でも左足
          でもブレーキが踏める。 左足でブレーキを踏んでいて、左足が疲れたなと感じた
          ら左足の疲労が回復するまでの間、右足でブレーキを踏めば良い。 そうすれば、
          疲労困憊した右足で [ ブレーキを踏んでいるつもりなのに、アクセルを踏み続けて
          いた ] という悲劇は回避可能な筈である 」


※ 解説

・ H&T(heel and toe) = MT車でギアを下げる際に、左足でクラッチを踏んだまま右足の指でブレー キを踏みつつ右足の踵でアクセルを煽ってエンジンの回転数を合わせる技術。 今はオートブリッピン グシステムが普及しているので過去の技術になりつつあるが、旧車はコレができなきゃ話にならな。

・ HANS(Head and Neck Support) = ヘルメットと首のサポーターを紐状のもので繋ぐような構造で、 事故に遭っても頭部が慣性運動で前に行かないようにすることで、主に頚椎の損傷を防ぐことが出来 る。 構造上、ヘルメットとフルハーネスシートベルトの着用が前提になる。

・ ダートトライアル = 未舗装の不整地を高速で駆け抜けるモータースポーツ。 サーキット走行とは違 い、一台一台、干渉しない時間差で出走する。

・ ブレーキ・オーバーライド・システム = アクセルとブレーキが同時に踏まれた際に、ブレーキの動作 を優先するシステム。


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