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実践ドライヴィング・テクニック

雨の日のタイトコーナー
【問】 某漫画に「雨の日だからこそドリフト」って書いてあったけど、
 実際に滑らせると前に進みません。
 本当に「滑りやすい路面では予め滑らせておく」ものなの?
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【答】 ああ、あのクルマ版アストロ球団ね。
 感化されてる人も少なくないみたいだけど、クルマの運転を真面目に考証するつもりなら、読んで役 に立つ部分は一片もありませんよ。
 あれは「わはは、作者ってバカ!」と笑い飛ばすものですよ。
 作者はボケ役、読者はツッコミ役なんです。
 真に受けるなんて作者に失礼です。

 さて、雨の日の運転ですが貴方のおっしゃる通り、雨の日に滑らせてもちっとも速く走れません。
 特にヘアピンのような低速コーナーは顕著です。
 しかし、WRCのラリードライブはWETのヘアピンをドリフトしています。
 変ですね。

 まず普通に晴れた日の運転を考えてみましょう。
 普通に旋回する時は、進入時にそのコーナーの最大旋回可能速度まで減速し、クリッピングポイント を過ぎて徐々に加速して行きます。

 では、雨の日はどうでしょうか?
 雨の日に同様の走り方をした場合、低いグリップ力は低い旋回速度しか許してくれません。
 これは当然速い走りにはなりません。
 しかし、だからといって滑らせながら同じラインを描いても、滑っている分得られるコーナーリングフォ ースが更に小さくなりますので、グリップよりも遅くなってしまいます。
 ではここで逆転の発想をしてみましょう。
 4輪駆動車の場合、滑り易い路面でも十分な発進加速が出来ます。
 なまじ低速でチンタラ曲がるよりもコーナーの奥で向きを変えて一気に立ち上がる方が速いのです。
 更に思考すれば、奥で向きを変えるよりも、奥に到着した時点で向きが変わっている様な進入方法 が有利です。
 そこで、ドリフトではなく、コーナー奥に向かってスピンターンします。
 こうすれば減速を兼ねたスピンターンで、立ち上がり方向を向いてコーナー奥に停止できますから ね。
 あとはフル加速するだけ。
 これがWRCの雨の日のドリフトの正体です。
 もちろん、スピンターンと言ってもサイドターンの様に急激なヨーイングを与える物ではありません。
 急激なヨーイングを与えると、タイヤの摩擦力がヨーイングを減衰させることに使われてしまうので、 車速が落ちなくなるからです。
 スピンターンを減速に使いたいWRCドライバーは、コーナー入口の手前からゆっくりヨーイングさせ、 長い距離をかけてスピンさせます。
 それがあたかもドリフトの様に見えるのです。

 ちなみにこの方法が使えるのは発進加速の鋭い4輪駆動車と、スピン中でも発進可能なFFだけで す。
 後輪駆動車、とくに尻の軽いFR車はスピンが完全に収まるまで急発進できませんので、この方法を 使うと余計に遅くなります。
 ですから、あのお笑い漫画では対抗馬に鈴木カプチーノを登場させていますが、雨の降る九十九折 の峠で本当に勝つ気ならインプかエボを使うべきです。
 特にゼロ発進で威力を発揮する、極太トルクのエボなら楽勝ですよ♪


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